

「歩き方、変わったね」
家族や友人にそう言われて、初めて気づいた。あるいは、動画に映った自分の歩く姿を見て驚いた。
歩き方と膝の痛みには関係があります。ただ、順番が思っているのと逆かもしれません。
歩き方が悪いから膝が痛くなった、とは限りません。膝が痛いから、かばう歩き方になった。そしてその歩き方が、今度は膝の負担を増やしている。この循環に入っていることのほうが多いです。
歩き方は、原因でもあり結果でもあります

かばう歩き方は、無意識に身につきます
膝が痛むと、体は自然にその膝を使わない歩き方を覚えます。意識してそうしているわけではありません。
痛むほうの脚に乗る時間を短くする。歩幅を狭くする。膝を伸ばしきらずに歩く。どれも痛みを避けるための、理にかなった動きです。
問題は、痛みが引いたあとも、その歩き方が残ることです。
残ったクセが、次の負担をつくります
片側をかばって歩けば、反対側に体重が偏ります。そちらの膝や腰に負担が集まります。
「痛いほうをかばっていたら、反対側が痛くなってきた」というご相談は本当に多いです。
だから、歩き方だけを直そうとしても解決しません。痛みの理由と歩き方の両方を同時に見る必要があります。
「意識して直す」は続きません
現場での実感で申し上げます。
歩き方を意識で直そうとしても、ほぼ続きません。1日に何千歩も歩くものを、意識で管理し続けるのは無理があります。
変えるべきは意識ではなく、体が動ける範囲です。股関節が動くようになれば歩幅は自然に戻りますし、足首が動けば着地が変わります。動けるようになれば、歩き方は勝手に変わります。
自分で確かめられる3つのこと

① 靴底の減り方に左右差はありませんか
よく履く靴を裏返してください。左右で減っている場所や量が違えば、体重の乗せ方が偏っています。
外側だけが減っている場合はO脚と膝の痛みの関係をまとめた記事もご覧ください。脚の形が関わっていることがあります。
② 家族に「後ろから」見てもらってください
鏡では自分の歩き方は分かりません。後ろから10メートルほど歩くところを見てもらってください。
見てもらうポイントは2つだけです。
- お尻の高さが左右で上下していないか
- 肩が左右に大きく振れていないか
どちらも、片脚で支える力に左右差があるときに出ます。スマホで動画を撮ってもらうと、あとで一緒に見られます。
③ 片脚立ちを左右で比べてください
壁の横で、いつでも手をつける状態で片脚立ちをします。左右で秒数に差がないかを見てください。
10秒立てるかが目安ですが、大事なのは秒数そのものより左右差です。片方だけ極端に短ければ、そちらを支える力が落ちています。
転びそうになったら、すぐやめてください。
歩き方を変えるためにやること
① 股関節を動かす(左右10回)
椅子につかまって立ち、片脚をゆっくり前後に振る。大きく振らず、痛みのない範囲で。
歩幅が狭くなっている方は、股関節が動きにくくなっていることが多いです。ここが動くと、歩幅は意識しなくても戻ります。
② 足首を動かす(20回)
座ったまま、かかとを支点につま先を上下に。
足首が硬いと、地面を後ろに蹴れず、脚を前に振り出すだけの歩き方になります。足首は膝より変わりやすい場所です。
③ お尻の横を使う(左右10回)
横向きに寝て、上の脚をゆっくり天井方向へ持ち上げる。反動をつけず、上げすぎないのがコツです。
ここが働くと、片脚で立ったときにお尻が落ちにくくなります。②で見てもらった「お尻の上下」に直接効きます。
歩くときに意識するのは1つだけ
どうしても意識したい方へ、1つだけ挙げるならこれです。
歩幅を、いつもより少し狭くする。
大股で速く歩くほうが良いと思われがちですが、膝が痛い時期は着地の衝撃が増えるだけです。狭くしたほうが楽に歩けます。
やってはいけない3つのこと
① 歩き方を意識で直そうとする
先ほども書きましたが、意識で管理し続けるのは無理があります。それに、意識して作った歩き方は不自然になり、別のところに負担がかかります。
② 痛いのに歩数を増やす
「歩いて治す」と考えて歩数を増やすと、かばう歩き方のまま回数を重ねることになります。クセが強く固定されます。
まず痛みが落ち着いてから、距離を戻してください。
③ 靴を変えれば直ると思う
靴は大事ですが、靴だけで歩き方は変わりません。体が動ける範囲が変わらなければ、新しい靴でも同じ歩き方をします。
ただしかかとがすり減った靴を履き続けるのは不利です。ここは買い替えてください。
すぐに医療機関を受診してほしいサイン
次のどれかに当てはまる場合は、その日のうちに医療機関を受診してください。
- 歩いていて膝が急に崩れる、力が抜ける
- 膝が明らかに腫れている、熱をもっている
- 曲げ伸ばしの途中で引っかかって、動かなくなる
- 短期間で急に歩き方が変わった
- 体重をかけられないほど痛む
- 足に力が入らない、しびれをともなう
とくに短期間で急に変わった場合は、年齢や使いすぎでは説明がつきません。引っかかりをともなう場合は膝の曲げ伸ばしで引っかかる方向けの記事もご覧ください。
まとめ
- 歩き方は痛みの原因であると同時に、痛みの結果でもあります
- かばう歩き方は無意識に身につき、痛みが引いたあとも残ります
- 片側をかばうと反対側に負担が移ります。「反対側が痛くなってきた」は本当に多いご相談です
- 意識で直そうとしても続きません。変えるのは意識ではなく、体が動ける範囲です
- 確かめること … 靴底の左右差/後ろから見てもらう/片脚立ちの左右差
- やること … 股関節を動かす/足首を動かす/お尻の横を使う
- 意識するなら1つだけ。歩幅をいつもより少し狭く
- 短期間で急に歩き方が変わった場合は、その日のうちに医療機関へ
よくいただく質問
Q. 自分では普通に歩いているつもりですが、家族に「かばっている」と言われます。どちらが正しいのでしょうか。
A. ご家族のほうが正確なことが多いです。かばう動きは無意識に起こるので、本人には「普通に歩いている」としか感じられません。これは感覚が鈍いということではなく、体がうまく調整してくれている証拠でもあります。ただ、その調整が長く続くと反対側に負担が移ります。ご家族に後ろから動画を撮ってもらうと、ご自身でも確認できます。当院でも実際に歩いていただいて一緒に見ますので、その動画をお持ちいただいても構いません。
Q. ウォーキングを日課にしていますが、続けても大丈夫でしょうか。
A. 膝に腫れや熱がなく、歩いているうちに楽になるタイプであれば続けてください。ただし、痛みが出ている時期は距離と歩幅を落としてください。かばう歩き方のまま歩数だけ増やすと、そのクセが固定されてしまいます。目安は「翌日に響かない距離」です。歩数の目標は一度忘れていただくのがおすすめです。運動していいかどうかの見分け方は、膝が痛いときの運動についてまとめた記事に詳しく書いています。
立川で歩き方と膝の痛みにお悩みの方へ

歩き方は、痛みの原因であると同時に痛みの結果でもあります。かばって歩いているうちに、それが普通になってしまう。この順番を解きほぐすところから始めます。
いきげん整骨院では、実際に歩いていただいて確認します。ご自身では気づけない左右差が見つかることがよくあります。「歩き方が変わったと言われた」という段階でのご相談で構いません。
はじめてご相談いただく方の流れ
1いつから変わったかを伺います 言われた時期、痛みとの前後関係、靴の減り方まで
2実際に歩いていただきます 歩幅・着地・体重の乗せ方、股関節と足首の動きまで
3ご説明と、続けられるケアまで 歩き方を意識で直すのではなく、動く体をつくる形に落とします
お名前と「歩き方と膝の痛みについて」とだけお送りいただければ、こちらからご案内いたします。
当院は完全予約制です。
| 院名 | いきげん整骨院 |
|---|---|
| 住所 | 〒190-0011 東京都立川市高松町3-10-5 クリエ石川 |
| アクセス | JR立川駅から徒歩7分/多摩モノレール立川北駅から徒歩5分 |
| 受付時間 | 10:00〜13:00/16:00〜19:30 |
| 休診日 | 木曜日(終日)・土曜日午後・日曜日・祝日・子供の行事 |
| 電話番号 | 042-523-8823 |
※ 明らかな腫れ、曲げ伸ばしの途中で引っかかって動かなくなる、膝が急に崩れる、外から強い力が加わったあとの痛みがある場合は、当院より先に整形外科などの医療機関へご相談ください。
