
荷物を持ち上げた瞬間に、腰が「ピキッ」となった。
よく言われるのは「膝を曲げて持ちましょう」。ただ、それだけでは足りません。膝を曲げていても腰を痛める持ち方があります。
この記事では、持ち上げる前の3秒でやることを3つにまとめました。合計3秒です。覚えるのはこれだけで十分です。
なぜ持ち上げる瞬間に痛めるのか

効いているのは「重さ」より「距離」です
ここがいちばん大事なところです。
同じ10キロの荷物でも、体にぴったりつけて持つのと、腕を伸ばして持つのとでは、腰にかかる力がまったく違います。
てこの原理です。体から離れるほど、腰は何倍もの力で支えることになります。だから「軽いから大丈夫」で油断したときに痛めます。
膝を曲げても、背中が丸まっていれば同じです
「膝を曲げて持つ」はよく言われますが、これだけでは不十分です。
膝を曲げてしゃがんでも、そこから背中を丸めて手を伸ばせば、結局は腰で持つことになります。
大事なのは膝ではなく、股関節から折れているかどうかです。お尻を後ろへ引くようにして下がると、背中はまっすぐのままで低い位置に手が届きます。
ひねりが加わると、いちばん危ない
持ち上げながら体をひねる。これがもっとも腰を痛めやすい動きです。
荷物を持って、そのまま体をひねって横に置く。この一連の動きで痛める方が非常に多いです。
持ち上げるときと、向きを変えるときを分ける。足で向きを変えれば、ひねらずに済みます。
持ち上げる前の3秒でやる3つのこと
1秒目|荷物に近づく
手を伸ばす前に、足を荷物のすぐ横まで運んでください。
これだけで腰にかかる力が大きく変わります。3つの中で、いちばん効きます。
「ちょっとだから」と、その場から手を伸ばすのがいちばん危ない。一歩近づくだけです。
2秒目|お尻を後ろへ引いて下がる
しゃがむのではなく、お尻を後ろへ引きながら、股関節から折れて下がります。
背中はまっすぐのまま。胸を少し前に向けたままにすると、丸まりにくくなります。
膝は自然に曲がります。「膝を曲げよう」と意識する必要はありません。お尻を引けば、勝手に曲がります。
3秒目|息を吐きながらお腹を軽く締める
持ち上げる直前に、息を軽く吐きながらお腹を薄くします。
これでお腹まわりが固まり、腰を支える助けになります。息を止めて力むのではありません。吐きながら、が大事です。
置くときも、同じ順番で
見落とされがちですが、置くときのほうが痛めやすいこともあります。持ち上げるときは気をつけていても、置くときは気が緩むからです。
置くときも、近づいて、お尻を引いて、息を吐きながら。同じ3つです。
そもそも持ち上げない工夫
滑らせる、転がす、分ける
持ち上げなくて済むなら、それがいちばんです。
- 床の上なら、まず滑らせて手前に寄せる
- 箱なら、中身を分けて2回に分ける
- 台車やカートが使えるなら、迷わず使う
現場での実感ですが、「一度で運ぼう」とした方が痛めています。2回に分けるほうが、結果的に早く終わります。
床から持ち上げる回数を減らす
同じ重さでも、床から持ち上げるのが最もつらいです。
よく使うものは、腰から胸の高さに置いておく。これだけで1日の持ち上げ回数が減ります。環境を変えるほうが、動作を意識し続けるより確実です。
やってはいけない3つのこと
① 持ち上げながら体をひねる
先ほども書きましたが、これがいちばん危ない動きです。向きを変えるときは足を動かしてください。
② 息を止めて力む
力を入れようとして息を止めると、血圧が上がります。息を吐きながらにしてください。
③ 痛めた直後に「もう一度持ってみる」
痛めた直後に確かめようとして、さらに悪化させる方がいます。その日は持たないでください。
痛めた直後の手当ては腰痛を温めるか冷やすかをまとめた記事をご覧ください。最初の2〜3日は冷やす段階です。
すぐに医療機関を受診してほしいサイン
荷物を持ち上げて痛めた場合、次のどれかに当てはまるならその日のうちに医療機関を受診してください。
- おしっこが出にくい、または漏れてしまう
- 両脚にしびれがある
- つま先が上がらない、足に力が入らない
- 脚に強いしびれや痛みが広がっている
- まったく動けない、体重をかけられない
- じっとしていても激しく痛む
脚にしびれが出た場合は腰痛と坐骨神経痛の違いをまとめた記事もご覧ください。
2週間たっても変わらない場合は腰痛が2週間変わらないときに見直す5つのことをご覧ください。
まとめ
- 効いているのは重さより「体からの距離」です。同じ重さでも離れるほど腰の負担は増えます
- 膝を曲げても、背中が丸まっていれば同じです。大事なのは股関節から折れているか
- 持ち上げる前の3秒 … 荷物に近づく/お尻を後ろへ引いて下がる/息を吐きながらお腹を軽く締める
- いちばん効くのは「一歩近づく」です
- 置くときも同じ順番で。置くときのほうが痛めやすいこともあります
- 持ち上げないで済む工夫 … 滑らせる/2回に分ける/台車を使う/置く高さを変える
- やらない … 持ち上げながらひねる/息を止めて力む/痛めた直後にもう一度持つ
よくいただく質問
Q. 腰痛ベルトを巻いていれば、重い物を持っても大丈夫ですか。
A. ベルトはお腹まわりを支える助けにはなりますが、持ち上げ方が悪ければ、ベルトをしていても腰を痛めます。とくに、体から離して持つ、ひねりながら持ち上げるといった動きは、ベルトでは防げません。順番としては、まず持ち上げ方を変えることが先です。そのうえで、重い物を扱う日にベルトを使うのは理にかなっています。使う期間と場面については、骨盤ベルトと腰痛ベルトの違いをまとめた記事に書いています。
Q. 仕事で毎日たくさん持ち上げます。毎回3秒かけるのは現実的ではありません。
A. おっしゃるとおりで、1日に何十回もある方が毎回意識するのは無理があります。そこで優先順位をつけてください。3つのうち「荷物に近づく」1つだけに絞ってかまいません。これがいちばん効きます。そして、意識でカバーしようとするより環境を変えるほうが確実です。よく使うものを床から腰の高さへ移す、台車を1台入れる。この2つで、1日の負担はかなり変わります。職場の条件を教えていただければ、その中でできる形を一緒に考えます。
立川で腰痛の手当てにお悩みの方へ
持ち上げ方は、頭で分かっていてもとっさの場面では出てきません。だから「気をつける」ではなく、体が勝手にその形になるところまで持っていく必要があります。
いきげん整骨院では、実際に持ち上げていただいて確認します。股関節が動かない方は、正しい持ち上げ方をしようとしてもできません。そこから整えていきます。
はじめてご相談いただく方の流れ
1どんな場面で痛めたかを伺います 仕事か家か、繰り返しか一度きりか、頻度まで
2腰だけでなく全身を確認します 股関節・足首の動き、実際の持ち上げ方まで
3ご説明と、続けられる形まで 職場や家の環境に合わせた形に落とします
お名前と「腰痛の手当てについて」とだけお送りいただければ、こちらからご案内いたします。
当院は完全予約制です。
| 院名 | いきげん整骨院 |
|---|---|
| 住所 | 〒190-0011 東京都立川市高松町3-10-5 クリエ石川 |
| アクセス | JR立川駅から徒歩7分/多摩モノレール立川北駅から徒歩5分 |
| 受付時間 | 10:00〜13:00/16:00〜19:30 |
| 休診日 | 木曜日(終日)・土曜日午後・日曜日・祝日・子供の行事 |
| 電話番号 | 042-523-8823 |
※ 脚のしびれ、つま先が上がらない、排尿の異常をともなう場合は、当院より先に整形外科などの医療機関へご相談ください。
